2018年夏に行われる第100回全国高校野球選手権記念大会が、史上最多の56校で行われることが決まりました。
全国高校野球選手権記念大会は、5年に1度(下1桁が0と5の回)は記念大会として実施されています。1998年の第80回記念大会、2008年の第90回記念大会では、記念大会として従来通りの北海道・東京都に加え、埼玉県・千葉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県の6府県から2校が代表として選出されています。
2018年の第100回記念大会では前述の6府県に加え、福岡県からも2校が代表として選出される予定です。
福岡県が増枠になった理由
今回、福岡県が増枠になった理由ですが、高野連の竹中雅彦事務局長によりますと、「夏8回戦わないと甲子園に行けない県のうち、2代表じゃなかったのは福岡だけ」とのことで、試合数を考慮したようです。
※参加校が128校を超えると、優勝するためには最大で8回勝たなければなりません。(1回戦、2回戦、3回戦、4回戦、5回戦、準々決勝、準決勝、決勝)
参加校が128校を超える埼玉県・千葉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県の6府県は2代表となることで、優勝するための勝利数が最大8勝から最大7勝となりました。来年の第100回記念大会では、福岡県も最大7勝で甲子園出場となります。
通常、夏の福岡大会は4回戦までを南北に分かれて実施し、勝ち残った16校で5回戦以降を行っています。来年の第100回記念大会の地区割りはおそらく南北に分ける形となるでしょう。
ちなみに、今回の増枠により、1校が代表となる府県で激戦区となるのは茨城(昨年は100校が参加)、静岡(同112校)あたりとなります。
2校選出の都道府県の地区割りについて
通常2校出場する北海道と東京都、そして第100回記念大会で増枠となる7府県がどのように地区割りをするかは現在決まっておりません。
過去の地区割り
1998年の第80回記念大会、2008年の第90回記念大会で増枠となった埼玉県・千葉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県の6府県の当時の地区割りは以下の通りです。
埼玉県
第80回大会では県を東西に分け「東埼玉」「西埼玉」としました。東埼玉代表は埼玉栄、西埼玉代表は滑川(現・滑川総合)でした。
第90回大会では県を南北に分け、「北埼玉」「南埼玉」としました。北埼玉代表は本庄第一、南埼玉代表は浦和学院でした。
第90回大会の地区割りに際しては過去の実績を参考にしたという経緯もありますので、第100回大会の地区割りについても、ここ数年の実績を元に行うことが予想されます。
千葉県
第80回大会、第90回大会とも県を東西に分け「東千葉」「西千葉」としました。市川、浦安、船橋、習志野、鎌ヶ谷、松戸、柏、我孫子、流山、野田の各市が西千葉、それ以外の地域が東千葉となります。
第80回大会の東千葉代表は八千代松陰、西千葉代表は市立船橋、第90回大会代表の東千葉代表は木更津総合、西千葉代表は千葉経大附でした。
恐らく第100回大会でも同様の地区割りが採用されるでしょう。
神奈川県
第80回大会では川崎市、横浜市を「東神奈川」、それ以外の市町村を「西神奈川」としました。東神奈川代表は横浜、西神奈川代表は平塚学園。
第90回大会では有力校が集中する横浜市を南北に分割。「北神奈川」「南神奈川」としました。北神奈川代表は慶應義塾、南神奈川代表は横浜と、横浜市の高校2校が代表となりました。
第100回大会の地区割りについては、前回同様に南北の分割と予想します。「北神奈川」「南神奈川」とすれば、東海大相模と横浜、または慶應と横浜といった、人気の高い2校を同時に甲子園に送り出すことが可能です。
愛知県
第80回大会、第90回大会とも名古屋、尾張を「西愛知」、三河、知多を「東愛知」としました。
第80回大会の東愛知代表は豊田大谷、西愛知代表は愛工大名電、第90回大会の東愛知代表は大府、西愛知代表は東邦でした。
恐らく第100回でも同様の地区割りが採用されるでしょう。いわゆる「私学4強」(中京大中京、愛工大名電、東邦、享栄)が全て「西愛知」に属する形となりますので、三河、知多の学校にとっては大チャンスとなります。
大阪府
第80回大会、第90回大会とも国道308号を境に「北大阪」「南大阪」に分割しています。
第80回大会の北大阪代表は関大一、南大阪代表はPL学園、第90回大会の北大阪代表は大阪桐蔭、南大阪代表は近大付でした。
第100回でも同様の地区割りが採用された場合、大阪桐蔭、履正社の2校とも「北大阪」に入りますので、両校が同時に甲子園に出場することはできません。
兵庫県
第80回大会、第90回大会とも神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市、川西市、伊丹市、尼崎市、猪名川町を「東兵庫」、その他の市町を「西兵庫」としています。
第80回大会の東兵庫代表は報徳学園、西兵庫代表は東洋大姫路、第90回大会の東兵庫代表は報徳学園、西兵庫代表は加古川北でした。
恐らく第100回大会でも同様の地区割りが採用されるでしょう。
各校監督、高野連関係者のコメント
高野連・竹中雅彦事務局長
「第100回は記念大会中の記念大会。より多くの球児に甲子園の土を踏んでほしい」
(出典:日本経済新聞)
大阪桐蔭・西谷浩一監督
「歴史的に重みのある100回単位での節目に、大阪から2校出られるのは名誉なこと。何としても、この大会に参加したい」
(出典:朝日新聞)
近大付・藤本博国監督
「2校出るのは喜ばしいが、選抜の決勝で大阪代表の2校が戦うほど、大阪大会はレベルが高い。甲子園に行きやすくなったとは考えにくいですね」。
(出典:朝日新聞)
福岡大大濠・八木啓伸監督
「夢の舞台を経験できる球児が2倍になる。喜ばしい」
「体力面よりむしろ選手のモチベーションが高まる方が大きい。盛り上がるでしょう」
(出典:朝日新聞)
小倉・牧村浩二監督
「チャンスが広がったのは確かだが、公立校は相変わらず厳しいと思う。選手は発奮材料にしてほしい」
(出典:朝日新聞)