甲子園のネット裏・ドリームシートでの子供のタオル回しは是か非か

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8月14日の第3試合・八戸学院光星(青森)-東邦(愛知)の試合で、9回裏の東邦の攻撃時に球場全体が4点を追う東邦を応援する異様な雰囲気となり、ネット裏のドリームシート(少年野球チームの選手向け招待席)に座っている子供たちまでもが、他の観客同様タオルを回した件について、アンケートを実施しました。

「問題なし」が55%、「控えるべき」が45%という結果となりました。

ドリームシートとは

この耳慣れない「ドリームシート」とは、今年(2016年)の選抜大会から創設されたもので、その目的は『少子化の影響などで少年野球人口が減少している。子供たちに臨場感あふれるバックネット裏で間近に高校野球を観戦することでいっそう野球に興味を持ってもらい、野球振興に寄与すること』とのことです。

問題点

本日の一件を「問題」と表記すべきかどうか、という議論もあろうかと思いますが、一旦「問題点」として箇条書きさせていただきます。

今回の問題点は、以下の2点に集約されるのではないでしょうか。

1.招待席である「ドリームシート」で一方のチームだけ応援したこと

2.ピッチャーの視界内で「タオルを振る」という行為が行われたこと

では一つずつ整理したいと思います。

1.「招待席」での応援について

私がテレビで見ている限り、この「ドリームシート」に座っている子供たちは概ね行儀よく観戦しているように感じます。

今回の八戸学院光星-東邦の試合でもそれは例外でなく、9回表までは特に変わったところは無かったと思います。

しかし9回裏に入り、球場全体が東邦を応援する雰囲気となり、東邦のアルプススタンドから流れる応援曲に合わせ、観客がタオルを回し始めました。
地元(兵庫や大阪)のチームが試合しているとき、一方的に一方のチームが負けているときなど、球場全体が一方のみを応援する雰囲気になることはありますが、地元でもなく、どちらかというと「強豪」の部類に入る東邦に対し、(4点差で負けていたとはいえ)あれだけの声援が集まったことに対して、正直なところ驚きました。

それまでおとなしく観戦していた子供たちも、球場全体がそのような雰囲気になったということで、一緒になってタオルを回して東邦を応援したのでしょう。そこには悪意も、八戸学院光星を貶める意図も無かったと思います。
(※事前に観戦時の注意などを受けているのだとは思いますが、おそらく「タオル回しNG」などといった具体的な注意は無かったのでしょう。あったとしても、球場全体がやっていることなのですから「やっても構わない」と判断するのはやむなしと考えます。)

タオルを回した子供たちを責める必要もありませんし、運営側もこういった事態(球場全体がタオルを回して一方のチームを応援)を想定していなかったのでしょう。

ただ、ここは「招待席」です。それなりの振る舞いを求められるのも、仕方のないことなのかもしれません。(“子供だから”OK、とはならないでしょう)

2.ピッチャーの視界内での「タオルを振る」という行為

ネット裏で何人もの子供たち、そしてテレビには映っていませんでしたが「ドリームシート」上に座っている大人たちが一斉にタオルを振ると、さすがにピッチャーの視界に入ります。

「集中してたらミットしか目に入らないはず」などの意見も見られましたが、いったい何を言っているんでしょうか。視界内でチラチラして、気になって仕方ないです。

実際に投げていた、八戸学院光星の桜井一樹投手がどう思ったか、ということが重要だと思うのですが、少なくともネット裏でのタオル回しが投球に影響があったなど、マスコミ向けでのコメントではまず言わないと思いますよ。そんなことを言おうものなら、ネットで叩かれるのは明らかです。下手すりゃ炎上するようなコメントをあえて出すわけがありません。

「ピッチャーはそういう行為に動じないメンタルであるべき」などと言ってる人もいましたが、そんなことまでピッチャーに求めないで下さいよ。ネット裏で物が動くことまで想定してられません。

私の記憶が間違ってなければ、ドリームシートが創設される前(要は昨年以前)にネット裏で携帯電話で話しながら手を振ってた観客は、係員に注意されていたと思うんです。その行為と今回の行為はどこが違うのでしょうか。

私は、この「ネット裏でタオルを振る行為」に限らず、ネット裏の観客によるプレーの妨げになる行為には大反対です。

「素人が何言ってるんだ」などと言われてはたまらないので書いておきますが、私も高校時代は野球部で投手でした。甲子園でも優勝経験のある学校ですので、それなりのレベルであったと自負しています。ですので、一投手としての意見としてお読みいただけると幸いです。

まとめ

今回の一件をもって「ドリームシートそのものの是非」まで話を飛躍させる必要はないと思いますが、これをきっかけに「ドリームシート」がよりよいものになれば良いと思います。ネット裏の席は、一部の人たちが占拠するより未来ある子供たちに開放するほうがよほど有意義です。

ただ、観戦マナーを考えた場合、「応援」そのものがプレーする選手の妨げになるものであってはならないと思います。少なくとも、ネット裏での行動はもう少し慎重にしていただきたい、というのが元投手からのお願いです。