【ゴミ拾いは野球の上達につながるのか?】高校野球監督本徹底比較(2)~ゴミ拾い編~

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このコンテンツは下記の5冊をテーマごとに比較したものです。

興南・我喜屋監督「逆境を生き抜く力
日大三・小倉監督「お前ならできる―甲子園を制した名将による「やる気」を引き出す人間育成術
広陵・中井監督「ともに泣きともに笑う―広陵高校野球部の真髄
前橋育英・荒井監督「『当たり前』の積み重ねが、本物になる ~凡事徹底――前橋育英が甲子園を制した理由~
中京大中京・大藤前監督「中京魂―折れない心の育て方


高校野球監督本徹底比較第2弾は「ゴミ拾い」です。
4人の監督が、著書で「ゴミ拾い」の大切さを説いています。

興南の我喜屋監督は、監督就任後に部員たちに「日本一のゴミ拾いのができるチームになろう」と言ったそうです。ゴミ拾い以外にも生活習慣を改めることで部員たちは変わっていき、興南高校24年ぶりの甲子園出場につながりました。

ある日、私は部員たちに告げた。
「いまのお前たちは、野球の技術では一番になれない。でも、ゴミ拾いなら勝てる。まずは日本一のゴミ拾いができるチームになろう」
「そして、甲子園を目指すという言葉はやめよう。それよりも、明日から目標を達成するための、心づくりをはじめよう!」
こうして私は、起床、洗面、身じたく、朝の散歩、整理整頓、清掃……と、生活指導を徹底した。そのあと少しずつ、生徒たちは変わっていった。

そして2007年の夏、たったこれだけで、興南高校は24年ぶりに甲子園出場を決めたのである。私が監督に就任してから、3ヵ月後のことだった。

(出典:「逆境を生き抜く力」)

日大三高では、合宿所の掃除とゴミ拾いは全員の仕事になっており、上級生が率先して取り組んでいるそうです。小倉監督はこう言います。

それにごみ拾いは野球の上達にもつながるんです。ごみを拾うということは、あちこち周りをよく見ることです。そしてごみは小さいから、小さなことに気づけるようになる。いまグラウンドで起きている状況、細かなプレーまで見る目が鍛えられ、試合でのミスが減るからです。

(出典:「お前ならできる―甲子園を制した名将による「やる気」を引き出す人間育成術 」)

ほぼ全部員が寮生活を送っている広陵高校では、上級生が務める「教育係」が中井監督の考えを新入生に伝え、率先して手本を示していくそうです。もちろん中井監督自らも、落ちているゴミを拾い、玄関のスリッパを揃えるそうです。中井監督はこういいます。

「ゴミを拾ったからって、野球がうまくなるんか?」という皮肉屋が必ずいる。
だが、考えてみてほしい。拾う意思があるから、落ちているゴミに気づくのであって、そもそもその気がなければ落ちていることに気づかないだろう。野球というのはスキルの優劣を競う以外にも、周囲に対する洞察力、観察眼が問われるゲームだ。グラウンドの空気から、どこかに相手のスキやほころびを見つけるつもりでいるのと、その気がないのとでは、勝負どころで一瞬の判断が変わってくるはずだ。落ちているゴミに気づくということは、その観察力につながるのだ。

(出典:「ともに泣きともに笑う―広陵高校野球部の真髄 」)

前橋育英野球部の日課は「朝の散歩とゴミ拾い」だそうです。2013年に夏の甲子園に出場したときも、選手たちは宿舎の周りをゴミ袋を持って歩いたそうです。

毎日毎日、同じようにゴミを拾い続けたから、町がきれいになっていくことを実感するときが来る。それは、同じことをやり続けた人間にしかわからないものだ。
1分間スピーチで、キャプテンの荒井海斗がこんなことを言っていた。
「大阪で、どれだけゴミを拾っても、最初は全くなくなりませんでした。でも、毎日毎日ゴミを拾い続けたら、どんそんゴミが減って、きれいになってきた。もっともっとこの町をきれいにするために、僕たちは勝ち進もうと思います」

(出典:「『当たり前』の積み重ねが、本物になる ~凡事徹底――前橋育英が甲子園を制した理由~ 」)

どの監督も、ゴミ拾いを行い生活習慣を改めることで選手が変わっていき、それが野球の上達につながる、と述べています。野球の練習ばかりやっていても、心が伴わないと本当の意味での「上達」につながらないんですね。
強豪校を率いる監督が大切だといっている「ゴミ拾い」に各校が取り組んでいくと心が作られ、野球が上達し、そして周りも綺麗になる。「一石三鳥」ですね。

▼第一弾

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