「大学野球の聖地」神宮球場について知る

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神宮球場は誰のもの?

神宮球場の正式名称は「明治神宮野球場」で、所有者は「宗教法人・明治神宮」です。1926年に東京六大学野球連盟のリーグ戦開催球場として開場した神宮球場は、東京ヤクルトスワローズの試合を中心に、春と秋には東京六大学野球、東都大学野球1部リーグおよび入れ替え戦が、夏には高校野球の東京大会が行われています。

余談になりますが、プロ野球(NPB)12球団の本拠地の中で聖教新聞の広告が入っていないのは神宮球場だけだそうです。神宮球場所有者が所有者だけに、ということなのでしょうが。

神宮球場の優先使用権について

「東京ヤクルトスワローズの本拠地」としてのイメージが強い神宮球場ですが、その優先使用権は学生野球(東京六大学野球連盟と東都大学野球連盟)にあります。
これは、東京六大学野球連盟が神宮球場の建設時に協力したこと、また拡張時にも工費を負担したことなどによるものです。それに加え、所有者の明治神宮もアマチュア野球を優先してきたということもあります。
ですので、「東京ヤクルトスワローズの試合の合間に学生野球をやっている」のではなく、「学生野球の合間に東京ヤクルトスワローズが試合をしている」が正しい解釈です。

但し、春秋の東京六大学野球リーグ戦の時期において、昼はに東京六大学野球、夜にプロ野球が行われる場合は、東京六大学野球の試合は9回で打ち切られ、プロ野球の試合は定刻に始まります。

神宮球場での日本シリーズ

神宮球場の優先使用権に関しては、このようなエピソードもあります。
1978年にはヤクルトスワローズが初めてリーグ優勝した際、この優先使用権の関係で東京六大学の試合が優先され、阪急ブレーブスと行う日本シリーズは後楽園球場で実施されました。
このときは日本シリーズのナイター開催を提案した東京六大学側と、その逆で大学野球のナイター開催を提案したプロ野球側で折り合いが付かず、ヤクルトスワローズのホームゲームは全て後楽園球場での開催となりました。

その後は双方折り合いをつけ、1992年、1993年の日本シリーズでは、ヤクルトのホームゲームが神宮球場で行われ、大学野球はナイトゲームとなりました。
1995年以降はそれまでデーゲームで開催されていた日本シリーズが全てナイトゲームとなったため、シーズン中と同様に大学野球はデーゲームで開催されています。

神宮球場の観客入れ替えについて

学生野球とプロ野球が同日に開催される場合、観客は入れ替え制となります。(学生野球の入場チケットでプロ野球を観戦することはできません)。
但し、プロ野球の入場待ち列が長くなり、神宮外苑内に並ばせることができなくなった場合などは学生野球の試合中にプロ野球の観客を入場させることがあります。

1997年9月28日(日曜日)、神宮球場とその周辺では下記の試合が行われていました。

神宮球場(昼):高橋由伸(慶應義塾大学)が田淵幸一の持つリーグ戦通算本塁打記録(22本)を更新する可能性がある試合
神宮球場(夜):優勝がかかったヤクルトスワローズの試合(広島東洋カープ戦)
国立競技場:1998 FIFAワールドカップ・アジア予選(日韓戦)

集客力の高い試合がいくつか行われたことで、神宮周辺は史上最高の人出と言われるほどにまでなったため、神宮球場でナイター観戦をする予定の外野自由席のお客さんを東京六大学の試合中に入場させました。
ライトスタンドがヤクルトファンで埋まり始めたそのとき、高橋由伸選手が東京六大学新記録となる23号ホームランをライトスタンドに放ち、学生野球ファンだけでなくプロ野球ファンからの祝福も受けたという話があります。

まとめ

都心からのアクセスも良い神宮球場は、ふらっと野球観戦に行くのに最も適した球場といえます。渋谷からも新宿からも、電車と徒歩で20分ほどで行くことができます。4月から9月までの週末はだいたい何かしらの試合(高校野球、大学野球、プロ野球など)が行われていますので、足をお運びになってはいかがでしょうか。

明治神宮野球場では、プロやアマチュアを問わず、年間約500を超える多くの試合やイベントが開催されています。