高校野球の野球留学に何か問題でも?頭の固いおっさんは退場!

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現在開催中の第98回全国高校野球選手権大会の7日目(8月13日)の明徳義塾(高知)と境(鳥取)の一戦で、審判の判定のについて問題が発生しました。

第98回全国高校野球選手権大会7日目の13日、2回戦の明徳義塾(高知)と境(鳥取)の対戦では、中盤に小刻みに得点を重ねた明徳義塾が境を突き放して快勝。昨夏は初戦で姿を消した明徳義塾が2年ぶりに夏の初…

 明徳義塾(高知)と境(鳥取)の一戦は、ともに予選参加校が高知29校、鳥取25校と最も少ない地域同士の対戦だった一方で、甲子園常連校などが県外から選手をスカウトなどして集める「野球留学生」は県立の境が0人、明徳義塾がベンチ入り全員の18人と興味深いカードだった。 <取材・文/北村篤裕>

ここでは、この「判定」の問題には触れません。

しかし、本題と関係ない「野球留学」の問題で締めるあたり、悪意を感じるのは私だけでしょうか。

野球留学とは

「野球留学」とは「保護者が同居する自宅からの通学者以外の者」を言います。現在は「特待生」として入学金・授業料を免除する生徒を1学年5人までとするルールもありますが、「特待生」でない他県出身の生徒も多数入部することで、現実に「ベンチ入り全員が他県出身者」となっているチームもあります。

今大会(第98回全国高校野球選手権大会)では、明徳義塾(高知)、秀岳館(熊本)の2校のベンチ入り選手に、地元の中学校出身者がひとりも含まれていません

その事実から「明徳義塾や秀岳館は他県出身者ばかり集めてる」という批判もありますが、まずはこの批判が的外れであることを指摘したいと思います。

明徳義塾にも、秀岳館にも、それぞれ高知出身、熊本出身の部員は在籍しています(「週刊ベースボール 別冊春季号」より)。ですから、ポジション争いの結果「ベンチ入り選手が全員他県出身者」となってしまった、というのが正しいのではないでしょうか。

よく「野球留学」の話の引き合いに出される青森県の八戸学院光星も、春のセンバツではベンチ入り全員が他県出身者でしたが、今大会では、地元・八戸市の中学校出身の安藤譲二投手が背番号11を着けベンチ入りしています。

レベルの高い他県出身者が甲子園出場を目指して「野球留学」してくるわけですから、ポジション争いをすれば他県出身者が勝ってしまうのは、ある意味当然のことかもしれません。ですが、その結果をもって「他県出身者ばかり集めてる」と批判するのは、想像力に欠けていると言わざるを得ません。

「野球留学」は本当に「悪」なのか?

このように、常に批判にさらされる「野球留学」ですが、本当に批判されるべきことなのでしょうか。

ここで、「野球留学」に関する記事をいくつかご紹介いたします。

「NEWS ポストセブン」は小学館が発行する「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」「マネーポスト」4誌を統合したニュースサイトです。各誌の最新記事・コラム等をネット用に再編集し、掲載するほか他のニュースサイトにも配信します。

記事にはこうあります。

 留学に反対する人たちは「地元の子を押しのけて」という。だが留学組だってちゃんと住み、学校に通って、青春の3年間をその土地に預けている「地元の子」である。さらに忘れられていることだが、留学したからといってレギュラーとかベンチ入りが約束されているわけではない。スタートラインはあくまで地元中学出身者と同じだ。

中学時代の実績などで、早めにAチームに入る選手ももちろんいるでしょう。ただ、それは「留学生だから」というわけではありませんよね。

「野球留学生」を受け入れている学校の監督は、常に結果を出すことを求められている立場です。チームをベストの状態にするにあたり、「留学生」や「地元出身」といったことがその判断要素とはならないはずです。

次はこちらの記事。

高校野球の勢力図を変えたのが、近年の青森県の躍進だ。八戸学院光星と、ライバルである青森山田の活躍が大きな起爆剤になっている。両校の対決は、90年代後半から現在に至るまで続いている。

記事にあるこの部分、これが「野球留学」の最大のメリットではないでしょうか。

地元ではもう一つ地場の匂いがしないということはあるのかもしれないが、確実に彼らによって県内のレベルそのものは引き上げられている。

2013年の選手権に青森代表で出場した弘前学院聖愛は、ベンチ入り18人全員が青森県出身でした。ここ20年近く、甲子園出場を青森山田と八戸学院光星で分け合ってきた青森県から、「他県からの野球留学生がいない」学校が出場したということは、まさに青森県の高校野球がレベルアップした証明といえるでしょう。

「野球留学」を批判するのは頭の固いおっさんばかりである

地方大会を観戦しに行きますと、公立高校が出場する日は観客、とりわけおっさんがいつもより多い、などということは日常茶飯事です。

・昔から地元にある学校を応援する
・私立高校より恵まれていない環境で頑張っている公立高校を応援する

このあたりが公立高校を応援する理由なのでしょう。前者はともかく、後者は明らかにおかしいですよね。私立高校より環境が恵まれている公立高校など山ほどあります。

しかし、公立高校好きのおっさんにはそういう想像力が無いのでしょう。公立高校は野球と勉強を両立させてて、私立高校はよそから集めた連中で野球ばかりやってる、と。常に彼らにとって「私立高校」は悪者なのです。

そんな公立高校にも、スポーツの上手い生徒を対象とした「推薦入学」が存在することもあります。学力が少し足りなくても、野球の上手い地元の生徒が入学できるんです。しかし頭の固いおっさんは、この話と「野球留学」の話の根っこがだいたい同じであることを理解できないんですよ。「甲子園出場のために遠くから来る」ってだけで批判の対象にするんです。

好きな学校を応援するのは結構なことです。全力で応援すれば良い。しかし、自分の好みでない学校を批判する必要、腐す必要がどこにあるのでしょうか。

「高校野球=郷里の代表」というイメージが強く、他県出身者で占められている地元の学校を応援したくない気持ちも分かります。他県出身者が甲子園に出ることで、その分地元の生徒が甲子園に出られなくなることは、確かに面白くないかもしれません。であれば、黙って応援しなきゃいいだけです。その学校の悪口を言う必要などありませんし、ましてや他県の学校を批判する必要などどこにもありません。

少なくとも、実際にプレイしている選手は「相手チームが野球の上手い他県出身者ばかりだから負けた」なんて言い訳や負け惜しみは言わないでしょう。それを言い訳にしてしまうことが、非常にみっともないことであると分かっているからです。同じグラウンドで対戦する以上、出身地がどうだとかは無関係です。

選手の家族はどうでしょうか。「他県から来た生徒のせいでうちの息子が試合に出られない」などと言うでしょうか。それを口にすると息子さん自身が辛い思いをすることが理解できていれば、決してそんなことは口にはしませんよね。

結局、文句を言ってるのは無責任なおっさんばかりです。

「野球留学」を理解できない、頭の固いおっさんは退場!

最後に

最後に、明徳義塾の野球部員の方のツイートを貼っておきます。

15歳で親元を離れて、甲子園出場という「夢」を目指して野球に取り組むなんて、すごく立派なことだと思います。